違う業種の競争

市場環境に必ずどの業種でも一つの会社で運営するのではなく、たくさんの会社が存在していると思います。
業者同士の競争も激しいです。

市場を占有するために、各会社はたくさんの方法を試して、たくさんのアイディアを考えて、努力しています。
実は競争は業者同士の間のことだけではなく、違う業種でも競争する可能性があると思います。

例えば、不動産と自動車産業の間に、一見何の関係もないでしょう
一つは住む需要で、もう一つは出かける時の交通手段の需要です。

しかし、消費者の買う能力から考えれば、競争になるかもしれません。
お金持ちでなければ、家を買うなら、余裕なお金がなくなるために、車が買えないでしょう。
つまり、家を買うか、車を買うか、どちら一つしか変えない場合、競争になります。

異業種間での同じ市場でのビジネスは、一見、相当に厳しいようにも見えますが、逆に考えると相互作用ももたらします。
自宅購入と同時に新車に乗り換えるという動機付けもあり、自動車販売の営業は新築主をターゲットに成功した事例もあるようです。
ディーラーではなく中古車引取りと新車販売を行っている会社からのアプローチは、新築主にとって都合が良いわけです。

こうしたビジネスと消費者の思考をマッチングすることで、新たな顧客をターゲットに出来るのですね。
アイデアや観察力次第では、既存の市場でも新たな顧客を開拓出来るものです。

建設業界

記憶が確かであればバブルとか貿易摩擦という懐かしい時代に、
ドル高是正のためのプラザ合意と内需に努めるようにというアメリカからの
圧力がかかった二国間協議というのがあったと思う。

車の輸出を中心にすんごい貿易黒字をだしていたものだから、
いつまでも調子にのってるんじゃないよとばかりにアメリカからの強制ブレーキだったわけですが、
このときもう一つの特徴として日本国内でお金を使わうように仕向けられた。
具体的には公共工事をバンバン発注し、いわゆるハコモノと言われる施設や
社会インフラとなる道路やダムが作られ続けられる建設業の基盤ができたわけです。
この公共工事は長いこと続けられ建設業界を肥え太らせる
温床の一つになったと個人的に考えています。
その結果、日本の建設業従事者割合は全体の10%近くにも及び、
国内の市場活況の手段の一つとして公共工事の発注が使われるようになったかと。
スーパーゼネコンはどんどん大きくなり大きくなりすぎた巨躯を維持するのに
大変な状態に陥ってしまっているのが現状のように見えます。
そのツケは協力会社と美名で呼ばれる下請け会社に回ってきているのではないでしょうか。
本来ゼネコンやサブコンは社会的には雇用創出の一端を担っていたはずなのですが。
まぁ、確かに現場の管理業務は世界的にハイレベルであり、同時にきつい仕事です。
一説によるとゼネコン監督さんの平均寿命はかなり短いとか。
それは肥え太ったその巨躯を維持するための経費削減故なのか、
はたまた旧態依然とした建設業界の業務内容が時代にマッチしていないのか。
確かにアベノミクス、オリンピック効果は期待できます。
しかしそれは一時的なカンフル剤であって業界のサステナブルな仕組みではありません。
維持するためにはある程度のスクラップ&ビルドが必要であって、
同時に業界全体も適正規模にバランスするまではしばらく厳しい時代が続くのではないでしょうか。

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